【サルでもわかる】学問紹介シリーズ

【サルでもわかる】生活科学入門!わかりやすく解説します!

2024年12月27日

はじめに

みなさん、こんにちは!今日は「生活科学」というちょっと聞き慣れない学問について、わかりやすく解説していきます。

「え?生活科学って何だろう?」「難しそうだな…」なんて思った人もいるかもしれませんね。

でも大丈夫です!この記事を読めば、生活科学がどれだけ私たちの暮らしに密接に関わっているのか、どんなことを研究しているのかがバッチリわかるようになりますよ。

実は皆さんも、知らないうちに生活科学の恩恵を受けているんです。

例えば、今朝食べた朝ごはんの栄養バランス、着ている服の素材、住んでいる家の間取り、これらすべてに生活科学が関わっているんですよ。

きっとこの記事を読み終わる頃には「へぇ、生活科学ってこんなに身近なものだったんだ!」と感じてもらえると思います。

生活科学とは?

① 超シンプルに説明すると…

生活科学を一言で表すと「私たちの暮らしを科学的に研究して、より良くしていく学問」です。

昔は「家政学」という名前で知られていました。

でも、研究の範囲が家庭だけでなく、社会全体の生活へと広がっていったため、今では「生活科学」と呼ばれるようになったんです。

生活科学が目指しているのは、私たち一人一人の生活の質を向上させることです。

そのために、衣食住に関することはもちろん、家族関係健康管理環境問題まで、生活に関するありとあらゆることを研究対象としているんです。

例えば、「どうすれば野菜を美味しく食べられるか」「快適な睡眠をとるにはどんな寝具がいいか」「家族でのコミュニケーションを円滑にするにはどうすればいいか」といった、私たちの日常的な疑問や課題に対して、科学的なアプローチで解決策を見つけていきます。

ぴろき

文字通り、生活のすべてを科学する学問なんだね!かなり広いな...

特に面白いのは、生活科学が「当たり前」を疑うところから始まることです。

なぜご飯は炊くと美味しくなるの?」「どうして服は洗濯すると清潔になるの?」こんな素朴な疑問から研究が始まり、私たちの生活をより良くするヒントが見つかるんです。

また、生活科学は時代とともに進化しています。

最近では、環境に優しい生活様式の研究や、高齢者が暮らしやすい住環境の開発など、現代社会が抱える課題の解決にも取り組んでいます。

つまり生活科学は、私たちの「今」の生活をより良くすることはもちろん、「未来」の生活も見据えた学問なんです。

② 生活科学は何の役に立っているの?

既に見てきたように、生活科学は、私たちの生活のあらゆる場面で活躍しているんです。

衣・食・住

まず、食生活の面では、栄養バランスの取れた食事メニューの開発に貢献しています。

例えば、学校給食のメニューも生活科学の研究成果を活かして作られているんですよ。

子どもたちの成長に必要な栄養素をしっかり取れて、なおかつ美味しい給食を提供するために、食材の組み合わせや調理方法が科学的に研究されているんです。

衣服の分野でも、生活科学の研究成果が活かされています。

汗を素早く吸収して乾かしてくれるスポーツウェアや、シワになりにくいワイシャツなど、快適な着心地を実現する衣服の開発には、生活科学の知識が不可欠なんです。

住まいの設計にも、生活科学は大きく関わっています。

例えば、家の中の温度や湿度を快適に保つための換気システムや、省エネ効果の高い断熱材の研究など、より住みやすい環境づくりに貢献しているんです。

ユニバーサル・デザイン

最近特に注目されているのが、高齢者や障がいのある方にやさしい製品の開発です。

握力が弱くても開けやすいペットボトルのキャップや、つまずきにくい床材など、誰もが使いやすい製品を作るために、生活科学の知識が活用されています。

子育ての分野でも、生活科学の知識は役立っています。

子どもの発達段階に合わせた玩具の開発や、安全な遊び場の設計など、子どもが健やかに育つ環境づくりにも生活科学の研究成果が活かされているんですよ。

このように、生活科学は私たちの暮らしの質を向上させるために、様々な場面で活躍しているんです。

普段何気なく使っているものの中にも、実は生活科学の研究成果が詰まっているんですよ。

③ どんな学問領域に分かれているの?

生活科学は私たちの生活のあらゆる側面を研究対象としているため、いくつかの専門分野に分かれています。

様々な分け方が可能ですが、文部科学省では生活科学を「生活科学一般」「食生活学」の2つに分類しています。

生活科学一般

これは家族関係や生活経営、消費者問題などを研究する分野です。

例えば、「限られた収入でどうやって上手に家計を管理するか」「家族みんなが気持ちよく過ごすためにはどんなルールがあるといいか」といったことを研究しています。

食生活学

この分野では、私たちの食生活に関するあらゆることを研究しています。

例えば、「どうすれば野菜を美味しく食べられるか」「お弁当を長時間おいしく保つにはどうすればいいか」といった身近な課題から、「未来の食糧問題をどう解決するか」といった大きなテーマまで、幅広い研究が行われているんです。

文部科学省の分類は上記2つですが、一般にはもう少し細かな分類がなされることが多いです!

もう少し見てみましょう!

被服学

私たちが着る服に関する研究を行う分野です。

快適な着心地の服を作るための素材研究や、体型に合った服のデザイン方法、さらには環境に優しい衣服の開発まで、服に関する様々なことを研究しています。

住居学

私たちの住まいについて研究する分野です。

快適な室内環境を作るための研究や、災害に強い住宅の設計、高齢者が暮らしやすい住環境の開発など、住まいに関する幅広い研究を行っています。

児童学

子どもの成長と発達に関する研究を行う分野です。

子どもの心身の発達過程を理解し、健やかな成長を支援するための研究を行っています。

環境科学

エコな生活習慣の提案や、環境に優しい製品の開発など、持続可能な社会の実現に向けた研究が行われています。

これらの分野は、それぞれが独立しているわけではありません。

例えば、高齢者の生活を考える時には、食事、衣服、住まい、家族関係など、複数の分野の知識を組み合わせて総合的に研究することが必要になります。

このように、生活科学は様々な分野が協力し合って、私たちの生活をより良くするための研究を進めているんです。

生活科学の最先端研究!

みなさんは「研究」と聞くと、難しい実験や複雑な理論を想像するかもしれません。

でも、生活科学の研究は意外と身近なところから始まるんです。

今回は、今まさに行われている面白い研究をいくつか紹介していきましょう。

料理の音や表現の科学

「ぐつぐつ」「さらさら」「しゃきしゃき」私たちはよくこんな擬音語を使いますよね。

実は、これらの言葉が表す状態を科学的に解明する研究が行われているんです。

例えば「ぐつぐつ」という表現は、約97度前後でゆっくりと泡が出ている状態を表していることがわかりました。

この研究は料理の教科書作りやレシピの標準化に役立っているんです。

ぴろき

こんな研究もあるんだ!哲学や言語学との関連も深そうだね!

ファッショントレンドの科学的分析

渋谷や原宿などのファッションの中心地で、人々の服装を定点観測する研究も行われています。

どんな色や形の服が多いのか、季節によってどう変化するのか、若者の好みはどう移り変わっているのかを科学的に分析しているんです。

この研究結果は、新しい商品の企画や、環境に優しいファッションの提案に活かされています。

食品ロス削減の研究

冷蔵庫の野菜室で野菜を長持ちさせる方法や、食材を無駄なく使い切る調理法の研究も進んでいます。

例えば、どの場所に何を置けば野菜が長持ちするのか、野菜の組み合わせによって鮮度が変わることなども明らかになってきました。

快眠を科学する

良質な睡眠をとるための研究も盛んです。

枕の高さや寝具の素材、寝室の温度や湿度など、様々な要素が睡眠の質に与える影響を研究しています。

最近では、スマートフォンの青い光(ブルーライト)が睡眠に与える影響についての研究も注目を集めています。

高齢者の生活をサポートする研究

高齢者が快適に暮らせる住環境の研究も進んでいます。

例えば、つまずきにくい床材の開発や、手すりの最適な設置位置の研究など、高齢者の安全で快適な暮らしをサポートする研究が行われているんです。

環境にやさしい洗濯の研究

洗濯機の使い方や洗剤の量を工夫して、水やエネルギーの無駄を減らす研究も行われています。

例えば、衣類の素材や汚れの種類によって、最適な洗濯方法が異なることもわかってきました。

子どもの遊びと学びの研究

子どもの遊び方や、おもちゃが子どもの発達に与える影響についての研究も進んでいます。

タブレットやスマートフォンが子どもの成長に与える影響についても、活発に研究が行われているんですよ。

このように、生活科学の研究は私たちの暮らしの様々な場面で行われています。

「当たり前」と思っていた日常の中にも、実はたくさんの発見の種が隠れているんです。

ぴろき

こんなにも日々の暮らしに役立つ学問があったなんて!

生活科学の展望

さて、ここまで生活科学の基本と最新の研究について見てきましたが、これからの生活科学はどうなっていくのでしょうか。

実は、生活科学はこれからますます重要になっていく学問なんです。

超高齢社会への対応

日本は世界でも類を見ない超高齢社会を迎えています。

高齢者が活き活きと暮らせる社会を作るために、生活科学の役割はとても大きいんです。

例えば、認知症予防に効果的な食事メニューの開発や、一人暮らしの高齢者を見守るシステムの研究など、高齢者の生活を支える様々な研究が進められています。

環境問題への取り組み

地球温暖化や資源の枯渇など、環境問題は深刻さを増しています。

生活科学では、これらの問題に対して「私たちの暮らしから何ができるか」を考え、具体的な解決策を提案しています。

例えば、食品ロスを減らすための保存技術の開発や、省エネ効果の高い生活習慣の提案など、環境に優しいライフスタイルの研究が進んでいます。

デジタル技術との融合

AIやIoTなどのデジタル技術の発展に伴い、生活科学も進化しています。

スマート家電による快適な住環境の実現や、ウェアラブル端末を使った健康管理など、テクノロジーを活用した新しい生活スタイルの研究が行われています。

災害に強い生活の実現

地震や台風などの自然災害が増加する中、防災・減災の視点からも生活科学の研究が注目されています。

災害時でも調理できる保存食の開発や、避難所での生活環境の改善など、いざという時のための研究も重要になってきているんです。

多様な生活スタイルへの対応

共働き家庭の増加や、単身世帯の増加など、私たちの生活スタイルは多様化しています。

生活科学では、それぞれの生活スタイルに合わせた快適な暮らし方を研究しています。

グローバル化への対応

世界中の人々との交流が当たり前になる中、異なる文化や習慣を理解し、共生していくための研究も進んでいます。

例えば、様々な文化圏の人々が快適に過ごせる生活空間のデザインや、多様な食文化に対応した調理法の研究なども行われているんです。

このように、生活科学は私たちの暮らしを取り巻く様々な課題に対して、具体的な解決策を提案し続けています。

これからも、より良い生活の実現に向けて、生活科学の研究はますます発展していくことでしょう。

生活科学入門者向けのオススメ図書

同志社女子大学人間生活学科が推薦図書リストを作成しています。

今回はその中から、各領域一冊ずつピックアップしてご紹介します!

Naked fashion : ファッションで世界を変える : おしゃれなエコのハローワーク(サフィア・ミニー)

生命学をひらく : 自分と向きあう「いのち」の思想(森岡正博著)

個人のなかの社会(浦光博, 北村英哉)

ダイニング・キッチンはこうして誕生した : 女性建築家第一号浜口ミホが目指したもの(北川圭子著)

洋裁文化と日本のファッション(井上雅人著)

弱いつながり : 検索ワードを探す旅(東浩紀著)

地域社会の機能と再生 : 農村社会計画論(福与徳文著)

まとめ

いかがでしたか?生活科学の世界を楽しく探検できましたか?

実は私たちの日常生活のあらゆる場面に、生活科学の研究成果が活かされているんですね。

朝起きてから夜寝るまで、着る服、食べる食事、住む家、使う道具など、すべてに生活科学が関わっているんです。

これまで「当たり前」だと思っていたことの中にも、実はたくさんの研究や工夫が隠れていました。

そして生活科学は、超高齢社会や環境問題など、現代社会が抱える様々な課題の解決にも貢献しています。

みなさんも、これを機に身の回りのことを少し科学的な目で見てみませんか?

きっと、新しい発見があるはずです。

そして、もしかしたらみなさんの中から、未来の生活をより良くする新しい研究が生まれるかもしれませんよ。

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