はじめに
みなさん、こんにちは!今日は「政治学」について、とってもわかりやすく解説していきます。
「政治なんて難しそう…」「ニュースを見ても何を言っているかわからない…」そんなふうに感じている人も多いのではないでしょうか。
実は政治は、私たちの生活のすごく身近なところにあるんです。
例えば、通学路に新しい信号機が設置されたり、公園が作られたり、給食が無料になったり…これらは全部「政治」が関係しているんです。
でも、なんだか政治の話を聞くと眠くなっちゃう…という人も大丈夫!
この記事では、高校生のみなさんにもスッと理解できるように、できるだけ身近な例を使って説明していきます。
政治学の面白さを知れば、きっと毎日のニュースも違って見えてくるはずです。
政治学とは?
① 超シンプルに説明すると…
まずは政治学の基本から説明していきましょう。
政治学とは「みんなが気持ちよく暮らせる社会を作るための方法を研究する学問」です。
例えば、クラスで文化祭の出し物を決めるとき、どうやって決めていますか?
多数決で決める?それとも話し合いで決める?もしかしたら、クラス委員が独断で決めちゃう?
このように「誰が」「どうやって」物事を決めるのか、そしてその決め方は「公平」なのか、を考えるのが政治学なんです。
でも、それだけじゃありません。
政治学は、人々の対立をどうやって解決するかという「問題解決の方法」も研究します。
たとえば、新しい公園を作るとします。公園ができれば子どもたちは喜びますよね。
でも、公園の近くに住む人は「うるさくなるんじゃないか」と心配かもしれません。
こういう対立が起きたとき、どうやって解決すればいいのでしょうか?
政治学は、このような問題に対して「みんなが納得できる解決方法」を見つけ出すことも目指しているんです。
また、政治学は「権力」についても研究します。
「権力」って聞くと怖い感じがしますが、要するに「誰が決定権を持っているか」ということです。
民主主義の国では、その権力は最終的に国民にあります。
でも、その権力をどうやって使えばいいのか。それを間違えると、独裁政治になったり、社会が混乱したりしてしまいます。
だから政治学では、権力の正しい使い方についても深く研究しているんです。
このように政治学は、私たちの社会生活のあらゆる場面に関係している、とても practical(実践的)な学問なんです。
権力について考察を深めた学者としては、日本ではマックスウェーバーが有名だね!
② 政治学は何の役に立っているの?
結論から言うと、政治学はめちゃくちゃ役立つ学問なんです!
具体的に、政治学を学ぶとどんないいことがあるのか、詳しく見ていきましょう。
1. ニュースがよく分かるようになる!
政治学を学ぶと、ニュースを見るのが楽しくなります。
例えば「消費税が10%になりました」というニュースを聞いたとき。普通なら「えー、また物が高くなるのか…」で終わりですよね。
でも政治学を知っていると、「なぜ今このタイミングで増税したんだろう?」「これによって社会保障はどう変わるんだろう?」といった具合に、深く考えることができます。
つまり、ニュースの「表面」だけでなく、その「背景」まで理解できるようになるんです。
2. 自分の意見が言えるようになる!
政治学を学ぶと、社会の問題について自分の意見をしっかり持てるようになります。
例えば友だちと「お年寄りが増えて若者が減っている問題」について話すとき。政治学を知っていると、「だったら若者の働く環境を改善して、結婚・出産しやすい社会を作れば?」なんて具体的な解決策を提案できるようになります。
また、他の人の意見も「なるほど、そういう考え方もあるな」と、様々な視点から理解できるようになります。
SNSやネット上で文句ばかり言っている人を見ると気分が悪くなるよね...。批判だけでなく具体的な解決策まで提示できる人になるためにも、政治学の勉強は大事なんだ!
3. 将来の仕事に役立つ!
政治学の知識は、将来のキャリアにも大きく関係してきます。
まず、公務員を目指す人には必須の知識です。国家公務員試験でも地方公務員試験でも、政治学は重要な試験科目になっています。
外交官になりたい人も、政治学は避けて通れません。国際関係を理解していないと、外交官として活躍することはできないからです。
ジャーナリストを目指す人にも、政治学の知識は重要です。社会の動きを正確に伝えるには、政治の仕組みをしっかり理解している必要があります。
実は一般企業でも、政治学を学んだ人は重宝されます。なぜなら、政治や社会の動きを理解している人は、ビジネスチャンスを見つけやすいからです。
特にアメリカや中国の政治情勢が不安になっていることは、企業の取引先選定に甚大な影響を及ぼすんだ。最近はサステナブル経営やレジリエンス経営などの観点からも、政治的な知識が強く求められているんだ。
4. 社会をよりよくする力が身につく!
政治学を学ぶと、「自分たちの力で社会を変えられる」ということが分かってきます。
例えば、地域の問題を解決したいとき。政治学を知っていれば、「誰に相談すればいいのか」「どうやって人々の協力を得ればいいのか」が分かります。
また、選挙の重要性もよく理解できるようになります。「なぜ選挙に行く必要があるのか」「自分の一票にどんな意味があるのか」がはっきり分かるんです。
世界史などの史学を学ぶことでも、フランス革命など、一般市民が社会を変えられることを実感できるよ!
5. 世界を見る目が変わる!
政治学を学ぶと、世界の出来事への理解も深まります。
例えば、外国で紛争が起きたとき。「なぜ争いが起きているのか」「どうすれば平和的に解決できるのか」といったことを、多角的に考えられるようになります。
また、環境問題や人権問題など、地球規模の課題についても、より深く考えられるようになるんです。
このように政治学は、私たちの生活や社会、そして世界を理解し、よりよくしていくための重要な道具なんです。
③ どんな学問領域に分かれているの?
さて、ここまで政治学の基本と、その役立ち方について見てきましたが、実は政治学にはいろいろな分野があるんです。
順番に見ていきましょう!
1. 政治制度論
まず基本となるのが「政治制度論」です。これは政治の仕組みを研究する分野です。
例えば、国会はどうやって動いているのか、選挙はどんなルールで行われているのか、といったことを研究します。
身近な例で言うと、市役所や町役場がどんな仕事をしているのか、税金はどうやって使われているのか、といったことも政治制度論の研究対象です。
2. 政治思想史
次に「政治思想史」。これは昔の偉い人たちが、どんな政治の考え方を持っていたのかを研究する分野です。
例えば、古代ギリシャのプラトンは「哲学者が国を治めるべきだ」と考えました。
また、イギリスのジョン・ロックは「政府は国民との契約によって成り立っている」という考えを示しました。
こうした昔の人々の考え方は、今の民主主義の基礎になっているんです。
3. 政治行動論
「政治行動論」は、人々がどのように政治に参加しているのかを研究する分野です。
例えば、若者はなぜ選挙に行かないのか、どうしたら政治に興味を持ってもらえるのか、といったことを研究します。
最近では、SNSが政治参加にどんな影響を与えているのかといった研究も盛んです。
4. 国際政治学
「国際政治学」は、国と国との関係を研究する分野です。
例えば、なぜ戦争が起きるのか、どうすれば平和を保てるのか、といった重要な問題を研究します。
また、国連やWHOといった国際機関の役割や、外交政策の効果なども研究対象です。
5. 地域研究
「地域研究」は、特定の地域や国の政治を詳しく研究する分野です。
例えば、アメリカの政治システム、中国の一党支配体制、EUの意思決定の仕組みなどを研究します。
それぞれの国や地域には独自の政治文化があり、それを理解することは国際関係を考える上でとても重要なんです。
6. 政策科学
「政策科学」は、具体的な政策について研究する分野です。
例えば、子育て支援政策は効果があるのか、環境政策はどうあるべきか、といったことを研究します。
最近では、データを使って政策の効果を科学的に分析する研究も増えています。
7. メディアと政治
「メディアと政治」は、新しい研究分野の一つです。
テレビ、新聞、インターネットが政治にどんな影響を与えているのか、フェイクニュースにどう対処すべきか、といったことを研究します。
このように政治学には様々な分野があり、それぞれが私たちの社会を理解し、よりよくするための重要な役割を果たしているんです。
政治学の最先端研究!
政治学は日々進化を続けています。特に最近は、テクノロジーの発展によって、これまでできなかったような研究が可能になってきているんです。
では、どんな最先端の研究が行われているのか、具体的に見ていきましょう。
ビッグデータを活用した選挙研究
政治学の最先端研究として、まず注目されているのが「ビッグデータを使った選挙研究」です。
昔は、選挙の結果を予測するには、数千人程度のアンケート調査しかできませんでした。
でも今では、SNSの投稿データや、ニュースサイトのアクセスデータなど、何百万人分ものデータを分析できるようになっています。
これによって、より正確な選挙結果の予測が可能になってきているんです。
SNSと民主主義に関する研究
次に注目されているのが、「SNSが民主主義に与える影響」についての研究です。
SNSの普及によって、誰でも簡単に政治的な意見を発信できるようになりました。
これは良いことのようにも見えますが、同時に「フェイクニュース」や「エコーチェンバー現象」(同じ意見の人たちだけで会話が進んでしまうこと)といった問題も起きています。
研究者たちは、このようなSNSの光と影について、様々な角度から研究を進めています。
AI時代の政治研究
AIの発展に伴い、「AI時代の政治」についての研究も活発になってきています。
例えば、「AIが政策の決定に関わることは適切なのか」「AIによる監視社会をどう防ぐか」といった問題が研究されています。
また、「AI開発をめぐる国際競争」についての研究も重要なテーマとなっています。
学者の成田悠輔さんが「政治自体をAIに任せる」ことを提案するなど、政治とAIは遠いように見えて縁が深いんだ。
環境政治学の最前線
地球温暖化が深刻化する中、「環境政治学」も大きな注目を集めています。
特に「なぜ環境問題の解決が進まないのか」「どうすれば国際協力を促進できるのか」といった研究が盛んです。
最近では、若者の環境活動家による政治運動についての研究も増えています。
今はSNSがあるから、若いアクティビストが積極的に声を上げて様々なムーブメントを起こしているよね!「自分はこうれをすべきだと思う!」という強い信念を得るためにも、ある程度政治学を学んでおきたいね。
パンデミックと政治の研究
新型コロナウイルスの世界的流行をきっかけに、「パンデミックと政治」に関する研究も活発化しています。
「感染症対策における政府の役割とは」「危機時のリーダーシップとは」といったテーマが研究されています。
また、パンデミック後の社会システムについての研究も進んでいます。
多様性と政治に関する研究
社会の多様化が進む中、「多様性と政治」に関する研究も重要性を増しています。
例えば、「マイノリティの政治参加をどう保障するか」「多文化共生社会をどう実現するか」といったテーマが研究されています。
これは、グローバル化が進む現代社会において、とても重要な研究テーマとなっているんです。
都市政治学の新展開
世界の人口の半分以上が都市に住むようになった今、「都市政治学」も新しい展開を見せています。
「スマートシティをどう実現するか」「大都市特有の政治的課題をどう解決するか」といった研究が進められています。
また、都市と地方の格差問題についての研究も重要なテーマとなっています。
このように、政治学の最先端研究は、私たちの社会が直面する様々な課題に取り組んでいるんです。
政治学の展望
さて、これからの政治学はどうなっていくのでしょうか?未来を予測してみましょう。
グローバル化への対応
また、政治学はますますグローバルな視点が必要になってきます。
気候変動、感染症、経済危機など、一つの国では解決できない問題が増えているからです。
そのため、「国際協力の新しい形」を研究する政治学者が増えていくでしょう。
市民参加の新しい形
政治参加の形も大きく変わっていきそうです。
例えば、スマートフォンを使って気軽に政策提案ができたり、オンラインで直接投票ができたりする時代が来るかもしれません。
政治学は、そんな「デジタル民主主義」の可能性と課題を研究することになるでしょう。
新しい政治制度の模索
今の民主主義にも、いろいろな課題が見つかってきています。
例えば、「多数決では少数派の意見が無視されがち」「選挙の度に対立が深まる」といった問題です。
これからの政治学は、こうした課題を解決する新しい政治の仕組みを考えていく必要があります。
民主主義が最高の政治制度、というわけではないんだ。あくまでこれまでの政治制度の中では一番増し、という建付けで理解しておいた方が、積極的な検討ができそうだね。
若者の政治参加
政治離れが進む若者たちを、どうやって政治に引き込んでいくか。
これも、これからの政治学の大きな課題です。
SNSやゲームの要素を政治参加に取り入れるなど、新しいアプローチが研究されていくでしょう。
このように政治学は、テクノロジーの進化や社会の変化に合わせて、どんどん進化していくことになりそうです。
でも変わらないのは、「よりよい社会を作りたい」という思いです。
これからも政治学は、私たちの未来をよりよいものにするために、進化し続けていくことでしょう。
いきなり本を読んで政治学を勉強する気にならなくても、まずは選挙に行ってみることをお勧めするよ!選挙に行くことで、否が応でも政治に関心を持つことになるから、それを起点に学んでいけばいいんだ。
政治学入門者向けのオススメ図書
一橋大学大学院社会学研究科・社会学部が政治学の推薦図書をリストアップしています。まずはピンとくるものから手に取って、政治学の深遠な世界を感じてみましょう!
まずはこの2冊から!
政治学(久米郁男、川出良枝、古城佳子、 田中愛治)
ポリティカル・サイエンス事始め(伊藤光利編)
新書で政治学を学ぼう!
現代社会の理論(見田宗介)
戦後政治史 第4版(石川真澄、山口二郎)
平成デモクラシー史(清水真人)
国際政治―恐怖と希望(高坂正尭)
相対化の時代(坂本義和)
デモクラシーの帝国(藤原帰一)
同盟を考える(船橋洋一)
アメリカ 過去と現在の間(古矢旬)
現代を読む 一○○冊のノン フィクション(佐高信)
中東政治入門(末近浩太)
人道的介入(最上敏樹)
戦時期日本の精神史―1931‐1945年(鶴見俊輔)
戦後思想を考え(日高六郎)
能力主義と企業社会(熊沢誠)
世界共和国へ(柄谷行人)
日本の統治構造―官僚内閣制から議員内閣制へ(飯尾潤)
老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき(大泉啓一郎)
これが憲法だ!(長谷部恭男、杉田敦)
民主党政権 失敗の検証(日本再建イニシアティブ編)
検証 安倍政権(アジア・パシフィック・イニシアティブ)
経済成長は不可能なのか―少子化と財政難を克服する条件(盛山和夫)
変貌する民主主義(森政稔)
日本社会のしくみ(小熊英二)
まとめ
いかがでしたか?政治学について誰でも理解できるようにわかりやすく解説してきましたが、理解は深まりましたでしょうか。
政治学は決して難しい学問ではありません。むしろ、私たちの毎日の生活に深く関わる、とても身近な学問なんです。
選挙に行くとき、ニュースを見るとき、そして将来の仕事を考えるとき。政治学の知識は、きっとみなさんの力になってくれるはずです。
これを読んでくれたみなさんには、ぜひ政治や社会の動きに興味を持ってもらえたらと思います。
そして、自分なりの意見を持って、よりよい社会づくりに参加してもらえたら嬉しいです!