今回は、生きている時間のうちなんと半分を不幸なものにしている、マインドワンダリングという概念について、ハーバード大学がThe Harvard Gazetteにてリリースした記事「Wandering mind not a happy mind」を参考にしながらご紹介いたします。
遅れましたがどうも、人生を豊かにする方法を日々探求しているビーハピです。
当ブログは、年間200冊以上の書籍を読み、現役経営コンサルタントとして徹底的に論理的思考力を鍛えた私ビーハピが、ビジネスや人生に生かせる教養をお伝えするブログです。
よろしくお願いします!
マインドワンダリングとは
マインドワンダリングは、いうまでもなくmindとwanderが結合した言葉です。mindは精神、wanderはさまよう、迷うという意味があります。したがって、マインドワンダリングとは、精神がいろいろな対象にふらふらと目移りしている、要するに気が散っている状態を表します。
マインドワンダリングの影響
マインドワンダリングの何が問題なのか。それは、様々な外部情報に気を配ることでいまに集中できなくなること、その結果として色々なことを必要以上に気にしてしまい、大きな不安感を抱えるリスクがあることです。
研究によれば、人は自分がしていること以外のことについて、起きている時間の46.9%もの時間を使って考えているそうです。
私も、業務中に賃貸の審査が通るか不安になったり、妻の誕生日プレゼントのことが頭をよぎったりと、お世辞にも集中できているとは言えない時間があります・・・
今を生きることの重要性
当記事の中では、幸せになるためには今を生きることに全力で集中すべきだと述べられています。
この考え方の重要性を古くから説いているのが、禅の世界です。
禅の世界に「前後裁断」という言葉があります。過去と現在と未来は連続しているのではなく分断されており、互いに影響は及ぼしあえない。したがって、自分が生きている現在にのみ全集中せよ、という教えです。
気を散らさず、余計なことには目もくれず、ひたすら自分のやるべきこと・やりたいことに全力で取り組むことが、結果的に自分を幸せにする近道なのです。
幸福度の指標としてのマインドフルネス
このような背景から、マインドワンダリングは、幸福度を測る指標として注目されています。年収、既婚か未婚か、友人は多いかなどの指標と比較して、自分の心がどれくらいの頻度で現在を離れるのかを表すマインドワンダリングはより幸福の本質を表しているとする意見もあります。
今に集中するためにおすすめの方法5選
それでは、今に集中するために何を行えばよいのでしょうか。
ぜひとも習慣化したい行動を5つご紹介します。
マインドフルネス瞑想
先述した禅は、数年前から海外での注目度が非常に高まっています。様々なしがらみから解き放たれて幸せになるための確立された方法論として、有用な考え方であると評価されているのです。
禅で取り入れられている座禅瞑想をベースとして、ストレス軽減や幸福感といった効果の側面を強めてアレンジしたものがマインドフルネス瞑想です。すさまじい効果があるのですが、主要なものを述べると以下の通りです。
- ストレス耐性の向上
- 睡眠の質の向上
- 免疫力の向上
- うつ・不安の減少
- 集中力・記憶力の向上
マインドワンダリング回避へのアプローチとして、非常に優れた行動であることがお分かりいただけると思います。
マインドフルネス瞑想のやり方はいろいろありますが、足を組んで背筋を伸ばし、目を閉じた状態で、雑念を払い自分の呼吸のみに集中する、というのが最もメジャーな方法です。
長時間の瞑想を行うほど効果は高いとされていますが、5分程度の短時間であっても効果が見込めます。
瞑想って、目を閉じてじっとしているという観点では睡眠に近いので、慣れてくると楽しく続けられるようになりますよ。
仕事前に瞑想をして、脳機能を高めてからポジティブな気持ちで仕事に取り掛かりましょう!
不安をノートに書きだす
ついつい気が散ってしまうことの大きな原因として、不安が頭をよぎってしまう、ということがあると思います。
この原因を分解してみると、不安が漠然としているがゆえに必要以上に恐れてしまうこと、頭をよぎる程度に不安が頭のリソースを割いていること、があると思います。
これらの両方にアプローチできる方法が、不安をノートに書きだす、という行動です。
ノートに書きだすという行為により、漠然とした不安感を言語化できます。自分が何に対して不安がっているかを正しく認識できるのです。さらに、頭の中にあった不安を紙という外部のストレージに移動できるので、頭の中を不安がよぎる確率が激減するのです。
これ、だまされたと思ってやってみてください。私も最初は「書くだけで悩みが解消されるわけないじゃん!」と思っていましたが、やってみると想像以上に不安感が消え去ることを実感できると思います。
次の日の仕事のタスクを細やかな粒度でノートに書ききる
このブログを見てくださっている方のほとんどは、日々熱心に仕事をされていると思います。日々感じる不安も、仕事からくるものが多いのではないでしょうか。
その不安を激減する方法が、前日に次の日のタスクを細かい粒度で整理しておく、という行動です。
当日の朝にタスクを洗い出すことは避けるべきです。その日に具体的に何をやるのか、という漠然とした不安が頭をよぎるため、朝起きた時から少しネガティブな気分になります。
また、前の日のタスクの進捗を確認するところからスタートするため、思い出すという無駄な時間が発生します。
それに対して前日にタスクを整理しておくと、次の日のタスクが明確なので安心して眠りにつくことができ、次の日もすっきりと起きることができます。紙にタスクを書ききることでタスクの不安が頭から紙にシフトするので、不安が頭をよぎることも減ります。
ポイントは、~30分程度で終わる粒度でタスクを洗い出すことです。数時間単位のタスクを数個書くだけでは、そのタスクを具体的にどう進めるかを翌日考える必要があるため、漠然とした不安は消えません。
例えば、
「新規顧客向けの営業資料作成」
では粒度として粗すぎるので、
「営業目的整理」
「類似顧客との取引履歴確認」
「新規顧客のターゲット整理」
「適切な営業方法の検討」
「資料作成」
のように、タスクのイメージがわかる粒度にするべきです。(上記はあくまで例ですので、本来はさらにタスクを細分化するのが望ましいです。)
適度な有酸素運動をする
適度な有酸素運動は、脳機能に非常に良い影響を与えます。
毎日30分程度のウォーキングまたはジョギングを習慣づけている人は、そうでない人に比べて記憶をつかさどる脳の領域である海馬が発達することがわかっています。何もしなければ海馬は年齢とともに縮小していくことを考えると、これは驚くべきことです。
海馬以外の部位にも良い効果があることが分かっており、集中力や判断力の向上、ストレス耐性の向上など、仕事をするうえで不可欠な能力を総合的に鍛えることができます。
SNSを見ない時間を意識的に設ける
自分の人生に必須でない情報を浴びる習慣は基本的に断つべきです。特にSNSは、その人の最高の瞬間だけを切り取る性質があるため、つい他人と比較して劣等感を感じてしまいます。
スマートフォンの機能で、夜の時間帯はSNSアプリを見られないようにするといった設定が可能ですので、いつもSNS断ちに失敗するという方は試してみてはいかがでしょうか。
現役経営コンサルタント ビーハピの習慣
私ビーハピは新規事業立案に携わる経営コンサルタントということで、ある程度激務な仕事をしている自負があります。でも実は、毎日ほぼ定時で仕事を終えることができています。それは、ここまでに書いた様々な手法を積極的に取り入れているからだと思っています。
結構本業も頑張ってるんですよ!
私のルーティンの一部を以下に記載していますので、興味のあるものから実践してみると、あなたの生活がより良いものに変わるかもしれません。少なくとも実体験として、私は大いに変化を感じました。
朝
朝起きて歯を磨いたら、着替えて家の周りを5kmほどランニングします。かえってシャワーを浴びたら、その流れで5分間のマインドフルネス瞑想を行います。
業務時間
朝ご飯を食べたら、前日にノートに書きこんだToDoリストを黙々とこなします。
もちろん突発的な仕事や連絡はありますが、主要なタスクはすべて紙面に書いてあるため、これが全部終われば今日の業務は終わりだ、という安心感があります。
その日のタスクがすべて完了したら、次の日のタスクをノートに書きだして業務終了です。
夜
その日の気分で過ごし方は様々です。妻とジムに行ったり、家でテレビゲームをしたり、お酒を飲んだりしてのんびり過ごしています。妻の方が仕事が終わるのが遅いので、それまでの時間で料理をしたり、読書をしています。
自分に合ったルーティンは人によって異なりますので、いろいろな方法を試してみて、気に入ったものを取り入れてもらえればと思います!
自分にはできなさそう、続かなそう、、、と思うかもしれませんが、まずはやってみることが大事!
おわりに
考えなくてよいことばかり考えてしまう、ありもしないことを不安がってしまうマインドワンダリングという概念と、これを避けるためのアプローチについて学びました。
ここで紹介したアプローチを通して、あなたの習慣がより良いものになることを祈っております。
以上、ビーハピでした!Be happy!