はじめに
みなさん、こんにちは!今日は「法学」について、わかりやすく解説していきます。
「法学なんて難しそう…」「六法全書を全部暗記しないといけないの?」そんな風に思っている人も多いかもしれませんね。
実は法学は、私たちの日常生活に密接に関わっているんです。
例えば、みなさんがスマートフォンを買うときに交わす契約や、アルバイトをするときの雇用契約、さらには電車に乗るときの乗車契約まで、私たちは毎日のように「法律」と関わって生活しているんです。
法学は、そんな私たちの暮らしをより良くするための知恵が詰まった学問なんです。
この記事を読めば、きっと法学の面白さがわかるはず!さあ、一緒に法学の世界を探検しましょう!
法学とは?
① 超シンプルに説明すると…
法学とは、簡単に言えば「法律を研究する学問」です。
でも、それだけじゃありません。単に法律の条文を暗記するだけが法学じゃないんです。
法学には大きく分けて3つの側面があります。
1つ目は「法律を理解し解釈する」という側面です。
例えば、憲法には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という条文があります。
でも、「健康で文化的な最低限度の生活」って具体的にどういう生活なのでしょうか?
テレビは必要?スマートフォンは?インターネットは?
こういった具体的な解釈を考えていくのも法学の大切な役割なんです。
2つ目は「新しい法律を考える」という側面です。
世の中は日々変化しています。例えば、30年前にはスマートフォンもSNSもありませんでした。
でも今では、SNSでの誹謗中傷やネット詐欺など、新しい問題が次々と生まれています。
そんな新しい問題に対して、どんな法律を作ればいいのか。それを考えるのも法学の役割です。
3つ目は「法律の歴史や考え方を研究する」という側面です。
なぜこの法律ができたのか?他の国ではどんな法律があるのか?
法律の背景にある考え方や歴史を研究することで、より良い法律を作るヒントが見つかるんです。
このように法学は、私たちの社会を支える重要な「知恵の宝庫」なんです。
単なる暗記科目だと思っていた人も、少し見方が変わってきたのではないでしょうか?
② 法学は何の役に立っているの?
「法学を学んでも、将来法律家にならないなら意味ないんじゃない?」そう思った人もいるかもしれません。
でも、実は法学を学ぶことには、とっても大きな意味があるんです。
その最大の理由は、法学を学ぶことで「法的思考力」が身につくから。
法的思考力って何?と思いますよね。
簡単に言うと、「物事を論理的に考え、公平な解決策を見つける力」のことです。
具体的な例を見てみましょう。
例1 部活動でのトラブル
部活動の練習中に、後輩があなたの大切な道具を誤って壊してしまいました。
この時、法的思考力があると、次のように考えることができます。
まず、事実関係を整理します。故意に壊したのか?それとも不注意によるものか?道具はどのくらいの価値があったのか?後輩に弁償する余裕はあるのか?
そして、関係する法的な考え方を適用します。例えば「過失による損害賠償」という考え方です。
最後に、公平な解決策を考えます。例えば「修理費用の一部を負担してもらい、残りは自分で負担する」といった具合です。
例2 アルバイト先でのもめごと
アルバイト先の店長から「明日、急に出勤してほしい」と言われました。
でも、明日は大切な試験があって行けません。
この時も、法的思考力を使って考えることができます。
労働契約ではシフトが決まっているはず。急な変更に応じる義務はありません。
でも、お店の事情も理解できます。代わりに別の日に出勤するという提案をしてみるのはどうでしょう?
例3 SNSでのトラブル
友達がSNSに投稿した写真に、あなたが写っていました。
でも、その写真を載せることを許可した覚えがありません。
この場合、「肖像権」や「プライバシーの権利」という考え方を使って、問題を整理できます。
そして、友達に「写真を載せる時は一言言ってほしい」と伝えるなど、建設的な解決策を考えることができます。
社会のルール作りにも役立っている
法学は、個人の問題解決能力を高めるだけでなく、社会全体のルール作りにも大きく貢献しています。
例えば、みなさんの学校にある校則。
「なぜ校則が必要なのか?」「どんなルールが適切なのか?」を考えるとき、法学の考え方が役立ちます。
また、地域の交通ルールを考えるときも同じです。
「この道路の制限速度は何キロが適切か?」「自転車と歩行者の通行区分をどうするか?」
こういった問題を考えるとき、法学の考え方が重要なヒントを与えてくれるんです。
将来の進路選択でも活きる!
法的思考力は、将来の進路選択でも大きな武器になります。
法律家を目指さない人でも、ビジネスの世界で活躍する時に、契約書を読む力や交渉する力として活きてきます。
公務員として働く場合も、条例や規則を理解し、適切に運用する力が必要です。
さらに、起業家として自分の会社を作る時も、様々な法律の知識が必要になってきます。
このように、法学は私たちの生活のあらゆる場面で役立っているんです。
法的思考力は、まさに「人生を生きていく上での地図」のような存在と言えるかもしれませんね。
③ どんな学問領域に分かれているの?
法学は、とても広い学問です。
私たちの社会生活のいろいろな場面に対応するため、法学はいくつかの分野に分かれています。
それぞれの分野を、身近な例を交えながら見ていきましょう!
基礎法学 〜法律の基本的な考え方を学ぶ〜
基礎法学は、法律の「根っこ」となる部分を研究する分野です。
例えば「なぜ人を殺してはいけないルールがあるの?」「なぜ約束は守らなければいけないの?」といった、法律の基本的な考え方を研究します。
また、昔の法律を調べる「法制史」という分野もあります。
江戸時代の法律と今の法律を比べてみると、その時代の人々の考え方や社会の仕組みがよくわかるんです。
公法学 〜国の仕組みを考える〜
公法学は、国の仕組みに関する法律を研究する分野です。
例えば「選挙権は何歳からあるべき?」「政府は私たちの個人情報をどこまで集めていいの?」といった問題を考えます。
18歳から選挙権が与えられるようになったのも、公法学での議論が基になっているんです。
国際法学 〜国と国との約束を考える〜
国際法学は、国と国との関係を定めるルールを研究する分野です。
例えば「日本人が海外旅行に行くときのルールは?」「外国から来た友達は日本でどんな権利を持っているの?」といった問題を扱います。
最近話題のSDGs(持続可能な開発目標)も、国際法学の重要なテーマの一つです。
社会法学 〜働く人を守る〜
社会法学は、働く人々の権利や社会保障に関する法律を研究する分野です。
「アルバイトの最低賃金はいくらにすべき?」「残業時間の制限はどうあるべき?」といった問題を考えます。
みなさんが将来就職するときに関係してくる、とても身近な分野と言えますね。
刑事法学 〜犯罪と刑罰を考える〜
刑事法学は、「悪いことをしたらどんな罰を与えるべきか」を研究する分野です。
例えば「未成年者の罪をどう裁くべき?」「どんな場合に正当防衛と認められる?」といった問題を扱います。
テレビドラマの「刑事もの」でよく見る取り調べのルールも、この分野で研究されているんです。
民事法学 〜私たちの日常生活に関わる法律〜
民事法学は、私たちの日常生活に最も密接に関わる法律を研究する分野です。
「お店で買い物をするときのルール」「借りたものを壊してしまった時の責任」など、毎日の暮らしの中で起こる問題を扱います。
スマートフォンの購入契約や、部活動での事故の賠償問題なども、この分野の対象です。
新領域法学 〜新しい時代の新しい問題に対応する〜
新領域法学は、最近登場した新しい問題に対応するための法律を研究する分野です。
「インターネット上の個人情報をどう守る?」「環境破壊を防ぐためにどんなルールが必要?」といった、現代社会特有の問題を扱います。
SNSでの誹謗中傷問題や、地球温暖化対策に関する法律も、この分野で研究されています。
すべての分野はつながっている!
これらの分野は、それぞれ独立しているようで、実は密接につながっています。
例えば、SNSでの誹謗中傷問題を考えるとき、刑事法学(犯罪と罰)、民事法学(損害賠償)、新領域法学(情報法)などが組み合わさって、解決策が見つかるんです。
法学の面白さは、これらの分野がクロスオーバーして、新しい解決策を生み出していくところにもあるんです。
法学の最先端研究!
法学って、古い六法全書をめくって条文を暗記するような、どちらかというと「古い」学問というイメージがあるかもしれません。
でも実は、法学の研究は日々進化しているんです!
特に最近は、テクノロジーの発展によって、これまでになかった新しい問題がどんどん生まれています。
そんな最先端の法学研究を、いくつかの具体例を通して見ていきましょう!
AI(人工知能)に関する研究
みなさんも一度は使ったことがあるのではないでしょうか?
ChatGPTのような生成AIの登場で、法学の世界でも新しい課題が次々と生まれています。
例えば、「AIが作った小説や絵画の著作権は誰のもの?」という問題。
AIが描いた絵をSNSに投稿して、それを誰かが無断で使用した場合、誰が権利を主張できるのでしょうか?
AIを開発した会社?それともAIに指示を出した人?はたまた、誰にも権利はないの?
法学者たちは、このような新しい問題に対する解決策を日々研究しているんです。
自動運転車に関する研究
自動運転車の開発も着々と進んでいますよね。
でも、自動運転車が事故を起こしてしまったら、誰が責任を取るべきなのでしょうか?
車を作ったメーカー?プログラムを書いた会社?それとも車の所有者?
さらに難しい問題もあります。
例えば、事故を避けられない状況で「お年寄り5人」と「子ども1人」のどちらかを避けなければならないとき、自動運転車はどちらを選ぶべき?
このような倫理的な判断をプログラムにどう組み込むかという問題も、法学者たちが真剣に研究しています。
デジタルプライバシーの研究
スマートフォンやSNSの普及で、私たちの個人情報は様々な場所に散らばっています。
位置情報、検索履歴、購入履歴、SNSでの投稿内容など、たくさんの個人情報がネット上にあふれているんです。
これらの情報をどう保護すべきか?
例えば、「忘れられる権利」という考え方があります。
昔投稿したちょっと恥ずかしい写真や、若気の至りで書いた投稿を、完全に消してもらう権利があるのか?
こういった新しい権利の在り方についても、法学者たちは研究を重ねています。
環境法の最新研究
地球温暖化対策も、法学の重要なテーマです。
「カーボンプライシング」という言葉を聞いたことがありますか?
CO2を出す量に応じてお金を払わなければいけない、という仕組みです。
でも、これを世界中で公平に実施するにはどうすればいいのか?
発展途上国と先進国で異なるルールを設けるべきなのか?
このような地球規模の問題に対する法的な解決策も、活発に研究されています。
遺伝子技術に関する研究
「ゲノム編集」という言葉を聞いたことがありますか?
生物の遺伝子を直接編集できる技術です。
この技術を使えば、病気を治療したり、より栄養価の高い作物を作ったりすることができます。
でも同時に、「デザイナーベビー」(遺伝子を改変して望む特徴を持った赤ちゃんを作ること)といった倫理的な問題も出てきます。
このような新しい技術をどこまで認めるべきか?どんな規制が必要か?
法学者たちは、倫理学者や医学者と協力しながら、適切なルール作りを研究しています。
法学研究の未来
これらの研究は、まさに「走りながら考える」状態です。
なぜなら、技術の進歩のスピードがとても速いから。
新しい技術やサービスが生まれるたびに、新しい法的問題が発生します。
その度に法学者たちは、過去の判例や法律の考え方を参考にしながら、新しい解決策を考え出しているんです。
法学は、決して古い学問ではありません。
むしろ、最新のテクノロジーと深く関わり合いながら、日々進化を続けている、とてもエキサイティングな学問なんです!
生成AIなんかも、技術が出てくる→慌てて規則・法律を考える→その間にも技術は進化数する、という流れだったね!
法律で規制されない技術が増えるにつれて、利用者である僕らの倫理的判断が大事になってくるんだ。
法学の展望
さて、ここまで法学の基本や最新の研究について見てきましたが、これからの法学はどうなっていくのでしょうか?
みなさんが社会人になる頃には、法学はさらに大きく変わっているかもしれません。
そんな法学の未来について、一緒に考えてみましょう!
デジタル社会における法学の役割
近い将来、私たちの生活はさらにデジタル化が進むと言われています。
例えば、メタバース(仮想空間)での活動が当たり前になるかもしれません。
すると、こんな問題が出てくるでしょう。
「メタバース内での窃盗や詐欺をどう取り締まる?」「仮想空間での結婚は法的に認められる?」
また、暗号資産(仮想通貨)の普及により、お金の概念自体が変わるかもしれません。
そうなると、「相続」や「税金」の仕組みも、大きく変える必要が出てくるでしょう。
グローバル化する法学
インターネットの発達で、国境を越えた活動がますます増えています。
例えば、日本にいながら海外のお店で買い物をしたり、外国の人と一緒に仕事をしたり。
このとき問題になるのが「どの国の法律を適用するか?」ということです。
これからの法学には、異なる国の法律をうまく調整する役割が求められます。
AI時代の新しい法制度
AIの進化は、法律の世界にも大きな影響を与えそうです。
例えば、「AI裁判官」の登場も現実味を帯びてきています。
シンプルな事件の判決をAIが行い、人間の裁判官は複雑な事件に集中する。
そんな時代が来るかもしれません。
でも、そのときには「AIの判断をどこまで信頼するか?」という新しい問題も出てくるでしょう。
環境問題と法学の発展
地球温暖化対策は、これからますます重要になっていきます。
法学には、環境保護と経済発展を両立させる新しいルール作りが求められるでしょう。
例えば、企業の環境対策を評価して投資を決める「ESG投資」の基準作りなども、法学の重要な課題です。
みなさんの出番です!
このように、法学には新しい課題がたくさん待ち受けています。
でも、それは同時にワクワクすることでもあります。
なぜなら、新しい問題には新しい解決策が必要だから。
その解決策を考え出すのは、まさにみなさんの世代なのです。
法学は、みなさんの柔軟な発想と新しい視点を待っています。
ぜひ、これからの法学を一緒に作っていきましょう!
法学入門者向けのオススメ図書
明治大学法学部が、入学者向けの推薦図書をリストアップしてくれています。
まずはこのうちのどれか1冊を手に取って、法学に入門しましょう!
法学を学ぶのはなぜ?(森田 果)
キヨミズ准教授の法学入門(木村 草太)
法と社会(碧海 純一)
AI時代の法学入門(太田 勝造)
AIの時代と法(小塚 荘一郎)
国際人権入門-現場から考える(申 惠丰)
カフェパウゼで法学を - 対話で見つける〈学び方〉(横田 明美)
法教育の教え方と学び方:クリティカル・シンキングのすすめ(コリン・シール)
まとめ
いかがでしたか?法学の世界を探検してみて、少し興味が湧いてきましたか?
法学は決して難しい学問ではありません。
むしろ、私たちの毎日の生活に深く関わる、とても身近な存在なんです。
スマートフォンの契約、アルバイト先でのトラブル、SNSでの投稿など、日常のあらゆる場面で法学の知識は役立ちます。
また、AIやメタバースなど、新しいテクノロジーによって生まれる問題を解決するためにも、法学の考え方が必要とされています。
ぜひ、これからも法学に興味を持ち続けてください。
きっと、あなたの人生をより豊かにしてくれるはずです!