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【サルでもわかる】相対性理論入門!アインシュタインが革命を起こした物理学の世界を完全解説!

2024年12月9日

相対性理論という言葉、聞いたことはあっても、実際にどんな理論なのかをイメージするのはなかなか難しいですよね!

アインシュタインの代名詞でもある相対性理論は、「光の速度」「時間の遅れ」「重力」など、一見すると日常生活からかけ離れた要素が詰まっているように思えます。

ですが、その根本には「モノを見る視点によって世界の捉え方が変わる」というシンプルだけれど奥深い考え方があります。

本記事では、この相対性理論を初めて学ぶ方向けに、とにかく、それはもうやさしく・わかりやすく解説します。

「相対性理論とは何か?」「特殊相対性理論と一般相対性理論の違い」「この理論は何の役に立っているのか?」というポイントを軸に、できるだけ身近なイメージを交えながらお伝えしますね!

相対性理論とは何か?

「相対性」の考え方

まず、相対性理論を理解する一番のカギは「相対的」という言葉です。

たとえば、「あなたが止まっている」と思っていても、実は地球は自転しながら太陽の周りを公転していますよね。

さらに太陽系自体も銀河の中を動いている……というように、止まっているか、あるいは動いているかというのは、どこから見るかによって変わってきます。

つまり、「何かを観測する人(観測者)が置かれた状況」によって、同じ現象が違うように見えることがあるのです。

相対性理論では「光の速度が一定である」という大原則を軸に、「観測者の状態によって時間や空間の捉え方が変わる」という仕組みを扱います。

これは私たちが普段使っている「ニュートン力学」とは異なる世界観です。

ニュートン力学は、私たちの生活範囲(低速かつ重力場もさほど強くない状況)では大変正確に働きますが、物体の速度が非常に速くなったり、重力が極端に大きくなったりすると、ニュートン力学だけでは説明がつかなくなるケースがあります。

その問題を解決したのが、アインシュタインが提唱した相対性理論なのです!

光が基準になる!

相対性理論がニュートン力学と大きく違う点は、「光の速度が常に一定である」という扱い方にあります。

光の速度は約1秒間に30万km(正確には秒速約299,792.458km)とされ、真空中では誰がどう測っても同じ速度になります。

これは直感的には不思議ですよね。

車が走っている様子を見れば、観測者が走っている車の後ろから追いかければ相対速度が下がるはずですが、光の場合は観測者がどう動いていようが、光を測ると常に同じ速度が得られるのです。

この「光の速度が不変」という事実を出発点にすると、時間や空間の概念を従来のままで使うと矛盾が生じます

そこでアインシュタインが導き出したのが「時間と空間そのものが伸び縮みする」という考え方でした。

こう聞くと、「え、それってどんな世界?」と思われるかもしれませんが、現代ではGPSなどの最先端技術にも応用されており、日常生活に溶け込んでいるのです。

特殊相対性理論と一般相対性理論の違い

相対性理論には大きく分けて2種類あります。

特殊相対性理論」と「一般相対性理論」です。

両者はしばしば混同されがちですが、扱う範囲や重力の考え方が異なります。

ここでは、両理論のポイントを順番に見ていきましょう!

なお、相対性理論を本格的に理解しようとすると、難解な物理学・数学の知識が必要になってきます。

したがってこの記事では、数式は使わず、概念的な説明でイメージをざっくりつかんでいただければと思います!

特殊相対性理論:光速に近い世界の不思議

まずは「特殊相対性理論」から。

これは1905年にアインシュタインが発表したもので、基本的には重力の影響を無視した状況、つまり「重力がない、もしくは非常に弱いところでの高速運動」に注目した理論と考えてください。

ここで登場する有名なテーマには以下のようなものがあります。

光速不変の原理

先ほど触れたとおり、光の速度は誰がどう観測しても変わらない、という大原則です。

時間の遅れ(タイム・ディレー)

物体が光速に近い速度で移動すると、移動している物体から見た時間と、静止している観測者から見た時間とで差が生まれます。

ウラシマ効果」という呼び方をすることもありますが、要するに超高速で動く宇宙船に乗っている人は、地球で生活している人よりもゆっくり年を取るイメージです。

長さの収縮(ローレンツ収縮)

高速で動いている物体は、その進行方向に沿って縮むように観測されます。

超高速の宇宙船の長さを外部から測ると、静止しているときよりも短く見えるわけです。

質量とエネルギーの等価性(E = mc²)

これも有名ですね!

質量とエネルギーは互いに変換可能である、という式で、原子力や核反応などにも関係します。

    これらの考え方は、光速に近い状況の乗り物や粒子などを扱うときには必須となります。

    たとえば、科学研究で使われる加速器の中では、粒子が光速に迫る速さで回転させられています。

    その際、「時間の遅れ」や「質量の増加」などの相対論的効果を無視すると、実験データが明らかに食い違ってしまうのです。

    つまり、特殊相対性理論は極端なスピードにおける現象を正しく予測してくれる理論というわけですね。

    一般相対性理論:重力も考慮する世界

    一方、「一般相対性理論」は1915年にアインシュタインによって発表されました。

    特殊相対性理論の10年後ですね。

    こちらでは、重力がメインのテーマとなります。

    特殊相対性理論が「重力を無視できる局所的な高速運動」を扱うのに対し、一般相対性理論では「宇宙規模の重力場」まで考慮する、より包括的な理論なのです!

    一般相対性理論の基本アイデアは、「重力とは空間と時間が歪んだ結果である」という考え方にあります。

    私たちは普通、重力を「地球が物体を引っ張る力」のようにイメージしますよね。

    ニュートン力学でも、万有引力の法則として「質量を持つ物体同士が互いに引き合う力」という説明をします。

    しかし、一般相対性理論では「質量(あるいはエネルギー)があるところは時空が歪む。その歪みによって物体が落ちていくように見える」という解釈をするのです。

    たとえば、よく例えられるのが「布を張って、そこに重たいボールを乗せると布がたわむ」というイメージ。

    重たいボールの近くを小さな玉が転がると、布の窪みに沿って曲がった軌道をとります。これが重力というわけですね!

    さらに一般相対性理論では、質量だけでなくエネルギー全般が時空を歪める原因となり、重力の正体を幾何学的に説明できるのです。

    ぴろき

    て、天才か?

    時間の遅れの再解釈

    また一般相対性理論においては、「重力場が強いところほど時間が遅れる」という効果も加わります。

    これは地球上でも確認される現象です。たとえば高い山の頂上よりも海面近くのほうが重力はやや強いため、海面近くのほうがほんの少しだけ時間が遅れます

    ただし、普通の生活では気づけないほどの微小な差です。

    しかしGPSなどのシステムを高精度に運用するときは、この微妙なズレを補正しなければならないのです!

    相対性理論は何の役に立っているのか?

    「相対性理論」と聞くと、SF映画や宇宙論の話が真っ先に浮かんで、「日常生活には関係ないんじゃない?」と感じる方も多いのではないでしょうか?

    しかし実は、私たちの身近なテクノロジーの背後で、相対性理論がしっかり活躍しています。

    以下では、その代表例をいくつかご紹介しますね!

    GPS(衛星測位システム)への応用

    最も身近な例の一つがGPSです。

    地図アプリやカーナビなど、現代では欠かせないシステムですよね!

    GPS衛星は地上から2万kmほど上空を飛んでいますが、衛星は高速で移動しており、かつ地表より重力ポテンシャルが弱い場所を飛んでいます。

    すると、特殊相対性理論による時間の遅れと、一般相対性理論による時間のズレが同時に発生するのです。

    もし相対性理論を考慮せずにGPS衛星の時計を地上の時計と同期させていたら、1日に数キロメートル単位で測位がずれてしまうといわれています。

    実際には相対性理論の効果をキッチリ補正することで、スマホの地図アプリが数メートル単位の精度を発揮できるわけです。

    私たちが普段意識せずに位置情報を使えるのも、相対性理論の理屈がしっかり使われているからなんですね!

    宇宙論や天体観測

    相対性理論は、宇宙の大規模な構造を考える上でも大きな役割を果たしています。

    ビッグバン理論やブラックホールの研究は、一般相対性理論がベースとなっています。

    ブラックホールは、非常に大きな質量が小さな空間に押し込められ、時空が極端に歪んだ領域。

    ここまで重力が強いと、ニュートン力学の範囲をはるかに超えた現象が起きます。

    近年、ブラックホールの画像が撮影されたり、重力波が検出されたニュースが大きく報じられたりしましたよね。

    これらの実証的な発見も、アインシュタインの一般相対性理論なしには説明がつかない、まさに理論と観測が合致した大きな成果といえます。

    先端工学や加速器実験

    粒子加速器では、電子や陽子などの粒子を光速に近いスピードまで加速し、ぶつけ合う実験が行われます。

    たとえばヨーロッパのCERN(セルン)や日本の高エネルギー加速器研究機構(KEK)などが有名ですね。

    こうした研究施設では、相対性理論を前提にしないと粒子の動きを正確に扱うことができません。

    また、粒子が高速で運動する際には質量の見かけが増加するなどの相対論的効果が顕著に現れます。

    さらに、医療現場でも粒子線治療などで相対性理論を応用する場面があります。

    高エネルギーの粒子を体のがん細胞に照射する際、その振る舞いを正確に理解するには相対性理論を使う必要があるのです

    ですから、「相対性理論って実はわたしたちの健康にも関わっている!」と言っても決して大げさではありません。

    精密時計や通信

    GPSだけでなく、通信システム全般にも精密な時計が必要となる場合があります。

    通信衛星や宇宙ステーションなど、地上と異なる速度や重力ポテンシャル下にある機器を使う際には、やはり相対性理論的な時間のズレを補正しなければなりません。

    もしこの補正がなければ、長期間の運用でどんどんエラーが積み重なってしまい、機器間の同期ずれが大きくなる可能性があります。

    相対性理論が拓くこれからの未来

    相対性理論はすでに100年以上の歴史がありますが、いまだに私たちの世界観を刺激し続けています。

    観測技術の進歩に伴って、ブラックホールや重力波など、以前はSFのように思えた現象が次々と観測・検証されてきました。

    アインシュタインが「方程式を書き下ろしたころ」に想像していた以上に、多くの実用分野にも展開しているのが面白いところです!

    今後も、宇宙の果てや高エネルギーの極限状態の研究が進むほどに、相対性理論を補完・発展させる新たな理論が現れる可能性もあります。

    量子論との統合をめぐる「量子重力理論」の研究は、その一端といえるでしょう。

    もしかすると10年後、20年後には「相対性理論が当たり前になった先にある世界」を私たちは生きているかもしれません。

    そう考えるとワクワクしませんか?

    まとめ

    ここまで「相対性理論とは何か?」「特殊相対性理論と一般相対性理論の違い」「相対性理論は何の役に立っているのか?」ごく簡単にですがお話してきました。

    • 相対性理論とは
      光の速度を一定としたときに生じる「時間や空間の伸び縮み」の理論。重力の本質も「時空の歪み」で説明する。
    • 特殊相対性理論と一般相対性理論
      特殊相対性理論は重力を無視して高速運動を扱う理論で、時間の遅れや質量とエネルギーの等価性がポイント。
      一般相対性理論は重力を含む理論で、「空間と時間が歪む」ことで引力が生まれると考える。
    • 相対性理論の役立ち
      GPSや衛星通信、精密時計、粒子加速器、医療など、意外にも私たちの生活を支える根幹的な技術に相対性理論の考え方が活用されている。
    • 相対性理論と歴史(「スペイン 歴史 簡単に」)とのちょっとした関連
      厳密には別ものだけれど、「視点が変われば物事の見え方が変わる」という点で、広い意味での“相対的な視点”と歴史の解釈は共通する考え方がある。

    相対性理論は、物理学の専門領域の中でもかなりスケールが大きく、かつ私たちの直感を覆す不思議な内容が詰まっています。

    でも、難しいからといって避けるのはもったいない! 

    誰しも最初は「よくわからないけど面白そう」という好奇心がスタートです。

    ぜひこれをきっかけに、相対性理論の本や動画などをチェックしてみてください。

    そうすることで、私たちの住む宇宙がいかにドラマチックで魅力にあふれているかを、あらためて実感できるはずです。

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