日本の歴史

【神戸の歴史が丸わかり】港町・神戸の魅力と歩みをやさしく解説!

はじめに

関西を代表する港町、神戸の魅力は、港から眺める異国情緒あふれる景観だけではありません。

実はとっても奥深い歴史があるんです!

「港が開港して外国人がたくさん来た街」というイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、神戸は古代から多様な文化と交流を重ねてきました。

今回は、そんな神戸の歴史を、初学者の方向けにできるだけやさしく、そして楽しくご紹介していきます!

読後には、神戸の成り立ちをもっと身近に感じられるはずです。

古代から中世の神戸

古代の神戸~「摂津国」の一部として~

神戸は、古代には「摂津国(せっつのくに)」という地域に属していました。

今でいうと、大阪府の一部や兵庫県南東部にまたがるエリアですね。

当時は交通インフラが未発達だったため、海からのアクセスが重要とされていました。

現在の神戸港近辺にも古くから人が住み、漁業や小さな集落が形成されていたと言われています。

さらに、日本には弥生時代や古墳時代の遺跡が各所に残されていますが、神戸周辺にも古墳が点在しています。

特に六甲山麓から海沿いにかけては、大陸から渡来した人々も含めてさまざまな人の往来があったと推測されています。

こうした人々の活動が、長い歴史を持つ神戸の基礎を築いていったのです。

平安・鎌倉時代の神戸~「大輪田泊」として栄える~

平安時代から鎌倉時代にかけて、現在の神戸港周辺は「大輪田泊(おおわだのとまり)」と呼ばれる港町として発展していきます。

大輪田泊は、日本の中央である京都や奈良方面と、瀬戸内海を経由して九州やさらに大陸へとつながる要衝でした。

そのため、平清盛(たいらのきよもり)をはじめとした権力者によって港の整備が進められ、神戸が海運の拠点として注目されはじめます。

平清盛は、武士が政権を握る流れの中で海上貿易を重視し、神戸を中国との交易の玄関口として重用しました。

日宋貿易で手に入れた宋銭や陶磁器は、国内経済や文化発展の原動力にもなりました。

大輪田泊の整備は、日本が海外と結びつく最初の大きな窓口のひとつとして、神戸が重要な地位を占めていたことを物語っています!

港町としての発展

室町時代から戦国時代~海上交通の要衝~

室町時代から戦国時代にかけても、神戸一帯は海上交通の要衝としての機能を維持していました。

瀬戸内海を行き来する船が立ち寄る拠点となり、商人や海運関係者、武士など多彩な人々がこの地を行き交いました。

周辺には寺院や神社も多く建てられ、宗教や文化活動が盛んに行われていたことがうかがえます。

ただし、この時代は戦乱が続き、地域によっては合戦の舞台となることもありました。

戦国大名同士の勢力争いに巻き込まれたり、海賊による襲撃を受けるなど、港町としての繁栄の一方で、地域住民は常に不安と隣り合わせの生活を強いられることもあったのです。

江戸時代の神戸~西国街道と生田神社~

江戸時代に入ると、幕府によって「鎖国体制」がしかれ、外国との交流は限られました。

しかし、国内交通網の整備は進められ、西国街道などの陸路が重要視されるようになります

神戸も大阪や京都、さらには九州方面へとつながる陸路と海路を併用する地域として発展を続けました。

生田神社や湊川神社、長田神社といった歴史ある神社を中心に、門前町としてのにぎわいも生まれていきます。

江戸時代末期には、幕末の混乱期を迎えますが、この頃にはすでに神戸の地には海運を支える船大工や商人などが集まり、独自の商人文化が形成されていたといわれます。

こうした蓄積が、やがて明治以降の急速な発展につながっていくのです。

明治以降の近代化

開港と神戸外国人居留地

1853年の黒船来航をきっかけに、幕府は開国に踏み切ります。

そして、1868年(明治元年)に神戸港が開港します!

開港に合わせて設置された外国人居留地は、日本に住む外国人が自らの法律下で暮らすことを認められた特別な地区でした。

ここには外国商社や銀行、豪商の邸宅が建ち並び、西洋の文化や技術が一気に流れ込んできます。

当時の異国情緒あふれる街並みは、今も旧居留地や北野異人館街にその名残をとどめています。

赤レンガ造りの建物や洋館は神戸のシンボル!

また、コーヒーやパン、ビールなど、それまで日本では一般的ではなかった食文化や生活様式が流入し、神戸を国際色豊かな都市へと変えていきました。

鉄道やインフラ整備の進展

開港に伴い、神戸と大阪や京都、さらには東京を結ぶ交通網の整備が急速に進んでいきます。

1874年には神戸と大阪間を結ぶ鉄道が開通し、物資や人の往来が格段にスピードアップ!

港を基点とした貿易と、陸路を活用した国内物流が一体化することで、神戸は一大商業都市としての地位を確立していきました。

同時に、神戸市内でも道路や上下水道といった都市インフラが整いはじめます。

外国の最新技術を取り入れた街づくりが行われ、西洋風の街路や建築様式が多数取り入れられたことも、神戸の景観を決定づける大きな要因でした。

異文化交流と国際都市へ

商人文化とファッション

明治・大正時代を経て、神戸は国内屈指の貿易港へと成長しました。

その背景には、国内外の商人が集まり、活発に商取引を行っていたことが挙げられます。

海運が盛んになると、外国のスーツやドレス、生地なども次々に輸入され、これが神戸独自のファッション文化を育むきっかけになりました。

洋装に憧れる女性たちが神戸で最新の服飾文化を吸収し、それが全国へ広がっていくのです!

また、この時期には神戸を通じてジャズや洋菓子、さらにスポーツ文化(ゴルフやベースボールなど)も根付いていきました。

港町の神戸が持つ独特の開放的な空気は、さまざまな異文化を自然に取り込み、新しいカルチャーを生み出す土壌となっていたのです。

阪神間モダニズムと住宅地の発展

1920年代から30年代にかけて、神戸と大阪の中間にあたる地域では「阪神間モダニズム」と呼ばれる文化運動が盛り上がりました。

西欧の芸術や建築を取り入れたモダンな生活様式が広がり、音楽や美術、文学など、さまざまなジャンルで独自の花が咲きます。

神戸市街地や六甲山の山麓一帯には、西洋風の邸宅やしゃれたレストラン、カフェなどが立ち並び、都会的なライフスタイルを求める人々が集まりました。

特に、阪急電鉄や阪神電鉄といった鉄道会社が住宅地開発を進めたことで、神戸近郊には大規模な住宅街が誕生します。

こうした都市開発がますます人々を呼び込み、神戸は「おしゃれで住みやすい街」として全国に知れ渡るようになったのです!

戦後から現代へ

戦災復興と高度経済成長

第二次世界大戦では神戸も大きな被害を受けましたが、戦後の復興期には再び日本有数の貿易港としての地位を取り戻していきます。

1950年代から60年代にかけては高度経済成長期に突入し、神戸港は石油や鉄鋼などの輸入を支える重要拠点となります。

市内には製鉄所や造船所が立ち並び、それに付随する関連産業も発展。

さらに、工業だけでなくサービス業や観光業も成長し、神戸は多様な顔を持つ都市へと変化していきました。

戦後復興と同時に市街地の再整備も進み、モダンで国際的な雰囲気が加速!

北野異人館街の保存や旧外国人居留地の再開発などが行われ、観光都市としての魅力も高まりました。

異国情緒と日本の伝統が混在する独特の空気感は、他の都市にはない神戸の大きな特徴といえます。

阪神・淡路大震災と復興

しかし、神戸の歴史を語るうえで、1995年に発生した「阪神・淡路大震災」は避けて通れません。

兵庫県南部を中心に大きな被害が出て、神戸市内の建物や港湾施設、道路などが甚大な被害を受けました。

多くの尊い命が失われ、街の機能は麻痺状態に陥りました。

それでも市民は諦めず、世界各国からの支援も受けながら懸命の復興作業を続け、徐々に街は活気を取り戻していきます。

復興の過程で耐震基準や防災インフラが見直され、人々の防災意識も高まりました。

今では災害に強い都市として、また「あの日を忘れない」姿勢を大切にする街として、神戸は新たなスタートを切っています。

神戸が育んだ食文化と暮らし

神戸ビーフと洋食文化

神戸といえばやはり「神戸ビーフ」!

世界的にも有名な高級牛肉は、神戸が誇るグルメの代表格です。

柔らかく、甘みのある肉質は世界中から高い評価を受けていますが、これは古くからの畜産技術と品質管理があってこそ。

神戸には明治以降、外国人が多く住んだことで牛肉を食べる文化が比較的早くから根付き、牛肉料理を活かした「洋食文化」が花開きました。

カレーライスやビーフシチュー、ビフカツなど、日本式にアレンジされた洋食メニューが神戸から全国へと広がったともいわれます。

港町特有の国際色豊かな食の歴史が、今の神戸の食のまちとしてのイメージを強く支えているんですね!

スイーツとパンの街

神戸の歴史を語る上で、スイーツやパン文化の存在は見逃せません。

開港後に外国から持ち込まれたパンは、当時としてはまだ珍しい食べ物でした。

しかし、神戸ではすぐに受け入れられ、街にはパン屋が数多く開店。

今でも神戸はパン消費量が高い都市として知られています。

また、神戸には洋菓子店も数多く軒を連ね、「スイーツの街」としても有名です。

数々のパティシエが腕を競い合い、全国的に名の知れた洋菓子ブランドを生み出してきました。

スイーツ巡りを目的に神戸を訪れる観光客も多く、甘い香りに包まれる街並みが、神戸の観光をさらに盛り上げています!

今、神戸を楽しむ

北野・異人館街と旧居留地

現代の神戸を訪れるときにぜひ行きたいのが、北野エリアにある異人館街や旧居留地周辺です。

外国人が多く暮らした歴史を今に伝える洋館は、観光スポットとして大人気!

それぞれの館で異なる建築様式や内装を楽しめるだけでなく、カフェやレストラン、おしゃれなショップも充実しています。

夜にはライトアップされ、昼とは違ったロマンチックな雰囲気に包まれますよ。

旧居留地は、丸の内や銀座のような洗練されたビジネス街とショッピング街が融合したエリア。

歴史を感じる重厚な建築と最新のファッションやグルメが同居し、歩いているだけでタイムスリップしたような不思議な感覚を味わえます。

近くにはメリケンパークやハーバーランドといったウォーターフロントの観光スポットもあり、神戸港を眺めながらゆったり散策できるのも魅力のひとつです。

六甲山と自然

神戸といえば六甲山も忘れてはいけません!

六甲山は市街地からのアクセスも良く、ロープウェイやケーブルカーで気軽に登ることができます。

山頂からは神戸の街並みと海を一望でき、夜景は「百万ドルの夜景」として有名!

一年を通じて自然が楽しめるスポットで、四季折々に違った表情を見せてくれます。

ハイキングコースや植物園、オルゴールミュージアムなど、一日中いても飽きないアクティビティが盛りだくさんです。

まとめ

神戸の歴史は、常に海との深い関わりと、そこから生まれる人々の交流によって形作られてきました。

その長い歴史を感じながら街を歩くと、神戸が抱えるストーリーを肌で感じられるはずです。

気軽に行ける観光スポットから、古い神社仏閣まで、神戸には見どころが満載!

ぜひ実際に足を運んで、自分自身の視点で神戸の歴史を感じてみてください。

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