筋子とイクラは同じ「鮭の卵」だけど、そもそも何が違うの?
まず大前提として、筋子もイクラも「鮭の卵」である点は同じです。
では、なぜ名称が違うのかというと、加工の仕方や調理工程が異なるからです。
一般的に筋子は、卵巣膜(卵が連なっている膜)に包まれたまま塩漬けにしたもの。
一方のイクラは、卵巣膜を取り除いて1粒ずつにばらしてから味付けしたものを指します。
筋子とは?
筋子は、鮭のお腹の中にある卵を膜ごと取り出して、塩で味付けする保存食です。
昔ながらの保存方法の一つであり、塩辛く濃厚な味わいが特徴。
薄い膜に卵がぎっしりと詰まっている様子が、まるで筋のように見えるため「筋子」と呼ばれます。
イクラとは?
イクラは、筋子の状態から卵巣膜を丁寧に取り除き、醤油や酒、みりんなどで漬け込んだものをいいます。
最近では醤油漬けのイクラが主流ですが、ロシア語の「икра(イクラ)」が語源で、もともと「魚の卵全般」を意味していました。
日本では、「醤油漬けの鮭の卵」をイクラと呼ぶのが一般的ですね。
味や食感の違い
筋子は塩味が強く、卵の膜と一緒に噛むため、プリッというよりも少しムチっとした舌ざわりを楽しめます。
ご飯のお供として少量で満足感があるのも筋子の魅力!
また、塩漬け独特のうまみが広がり、日本酒のおつまみにも最適です。
一方、イクラは一粒ずつがプチプチと弾け、醤油や出汁の風味がしっかり染み込んでいます。
口の中で卵がはじけて、濃厚なコクがジュワッと広がるのが魅力。
イクラ丼や手巻き寿司、軍艦巻きなど、さまざまな料理で楽しめるのも特徴です。
どうやって使い分ける?料理のヒント
筋子のオススメ食べ方
- おにぎりやお茶漬けの具として
しっかりした塩味があるので、おにぎりの具にすれば主役級の存在感に! お茶漬けの上に少しだけ乗せても、深い味わいを堪能できます。 - 酒の肴としてそのまま
卵の膜ごと噛みしめる濃厚な味わいは、日本酒や焼酎との相性が抜群!
イクラのオススメ食べ方
- イクラ丼やいくら軍艦
ふんだんに使ってしまう贅沢さが醍醐味! 醤油やだしの染みたイクラのプチプチ感がたまりません。 - パスタやサラダのトッピング
クリームパスタにのせれば一気に華やかな仕上がりに! サラダのアクセントとしてもおすすめです。
栄養価と保存方法のポイント
栄養面
鮭の卵には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
特に良質なタンパク質やビタミンE、アスタキサンチンなどの抗酸化成分が含まれ、健康にも嬉しい食材です。
ただし、塩分が多い筋子や醤油漬けのイクラは、食べ過ぎに注意が必要!適量を楽しむのがコツですね。
保存方法
- 筋子
塩漬けなので比較的日持ちしますが、開封後は冷蔵庫で保存してなるべく早めに消費しましょう。カビなどが生えやすいので、ラップで包むか密閉容器に入れて保存するのがおすすめ。 - イクラ
漬けダレごと保存容器に入れ、冷蔵庫で保管します。漬け床の塩分やアルコール度数によって日持ちには差がありますが、鮮度が落ちやすいので早めに食べきりましょう。冷凍保存もできますが、解凍時に食感や風味が少し変わるので注意が必要です。
まとめ
筋子とイクラの違いは、「卵巣膜を取り除いているかどうか」「味付けの仕方」によって生まれます。
食感や味わい、使いどころはそれぞれに魅力があり、どちらも鮭の卵ならではのうまみが詰まっている食材です。
塩辛くてしっとりした筋子が好きな人もいれば、プチプチ感を楽しめるイクラが好きな人もいるはず。
ご飯のお供に、酒の肴に、おもてなし料理に…ぜひ、その時々のシーンに合わせて取り入れてみてくださいね!